Article: コペンハーゲンへ — 3days of design 2026

コペンハーゲンへ — 3days of design 2026
デザインの栄養を求めて:ジュエリーデザイナーが体感した北欧最大級の祭典「3daysofdesign」
なぜジュエリーデザイナーがインテリアのデザインイベントへ?
「ジュエリーデザイナーがなぜ家具やインテリアのデザインイベントへ?」と思う方もいるかもしれません。理由はいくつかあります。
ひとつは、コペンハーゲンに卸先の「The Jewelry Room」があり、直接顔を出したかったこと。もうひとつは、ジュエリー以外のデザインからインスピレーションを得たかったことです。日々ジュエリーだけを見ていると、どうしても視野が狭くなってしまいます。家具や建材、プロダクトデザインの現場を自分の目で見ることが、自分のデザインの栄養になると思っています。
そして個人的な理由として、ヨーロッパには学生時代からしばらく住んでいたにもかかわらず、コペンハーゲンにはまだ一度も行ったことがありませんでした。Design Academy Eindhovenで学んでいた頃から、北欧デザインはずっと気になっていた場所。そのタイミングがようやく来た感じがしました。
街全体がショールームに変わる3日間
毎年6月、コペンハーゲンで開催される北欧最大のデザインイベント「3daysofdesign」。家具、プロダクト、インテリアブランドが街中のショールームや倉庫、路地裏のスペースで一斉にオープンする3日間です。今年の出展者数は約460〜470社。デザイン関係者だけでなく、デザインが好きな一般の方も街中を歩き回っていて、街全体がイベントを楽しんでいる雰囲気がありました。

印象的だったのは、デザインと街の境界線がないことです。展示で見た椅子が、少し歩いた先の食堂で普通に使われていたり、その子供椅子がめちゃくちゃ素敵だったりする。デザインが特別なものとして飾られているのではなく、日常の中に当たり前にあるのです。会場も歴史的な建物や教会が使われていたりして、新しいプロダクトと古い空間の組み合わせがまた面白かったです。街全体がそういう場所として、長い時間をかけて育ってきたんだなと感じました。

心に響いたデンマークブランドの思想と実験的な展示
王道ブランドが見せる「デザインのプロセス」
展示の中で特に印象に残ったのは、HAY、Fredericia、Framaといったデンマークブランドの見せ方です。新作を発表するだけでなく、既存のプロダクトの歴史や進化、デザインのプロセスまで丁寧に見せていました。作られた背景や思想を含めて伝えようとする姿勢が、ものとしての説得力につながっていると思いました。
実験的アプローチが光る「vaerktoj3」と体験型の試み
vaerktoj3の展示も面白かったです。ひとつのコンセプトに対して複数のデザイナーがそれぞれどうアプローチするかを見せる、少し実験的な内容で、プロダクトを見るというより、デザインという行為そのものを考えさせられる展示でした。
Carl Hansen & Sønでは、ロンドンのデザインスタジオ「Mentsen」とコラボした、家具製造時に出た端材を使ったモビール制作ワークショップが開催されていました。展示でものを見せるだけでなく、体験として届けようとする姿勢が面白いなと思いました。

「3daysofdesign」とその外側にある可能性
3daysofdesignとは別に、同時期開催の「the other circle」も訪れました。こちらは日本を含む世界各国のデザイナーが参加する、より実験的でコレクティブな展示が多く、多様性があって面白かったです。3daysofdesignが北欧デザインの王道を見せる場だとすれば、the other circleはその外側にある可能性を見せる場という印象。両方回ることで、より広いデザインシーンの幅が見えてくる気がします。
街角での嬉しい再会と、心惹かれた日本のデザイン
日本からの出展者も多く、久しぶりの友人に街角でばったり会うこともありました。福井の「sekisaka」がカリモク主催の「JAPANMADE」の一つとして出展していて、毎晩のように一緒に飲んで話せたのが嬉しかったです。学生時代からずっと憧れていたデザイナーが街角をふらっと歩いていたりもして、こういう場所ならではだなと思いました。
また、今年自邸のキッチンとお風呂に採用したタイルの「aa danto」も出展していました。家具ではなく建材の展示にもかかわらず、たくさんの人が足を止めていたのが印象的でした。

コンパクトな街を自転車で駆け抜けて
コペンハーゲンは街がコンパクトで、どこでも自転車で行けます。道路には自転車専用レーンがしっかり整備されていて、アプリで見つけてそのまま乗れるシェアサイクルも充実していました。学生時代を思い出すような、自転車でぐるぐる走り回れる街です。
食事は全体的に高いのですが、朝食を各展示会場で提供してくれるところがあって、それが面白かったです。展示を見ながら朝食をいただくというのはなかなか贅沢な体験で、デザインイベントならではだなと思いました。夕飯も展示のパーティのケータリングをうまく活用しながら乗り切っていました。
せっかくなのでと奮発したのが、世界バーガーランキング5位の「Gasoline Grill」。セットで4,000円弱とコペンハーゲン価格ではありますが、確かに美味しかったです。

おわりに:来年もまた、あの街へ
出展者が多すぎて、正直3日間では全部回りきれません。個人的には「4daysofdesign」でもいいと思っているほどです。素晴らしい刺激とデザインの栄養をたっぷりともらった今回の旅。来年はまた別の形で、コペンハーゲンへ足を運びたいと思います。



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